達郎が好き

今年になって、突然山下達郎が好きになった。
もともとソロデビュー前に組んでいたシュガーベイブというバンドの音楽は大好きだったけれど、

ベスト盤的なものだけはちゃっかりiPodに入っていたんです。
「スプリンクラー」という曲は好きで、それを聴きたくてレンタルで借りたんだと思う。

それが、なんかなんとなく自宅でYoutubeで音楽流しながら作業していたらいつのまにか山下達郎がぐるぐる。
あれ?っと思って、iPodに入ってる曲もはじめて意識して流す。

…あれ?もしかしてすごくいい???

という訳で旅がはじまりました。

わたしが好きなのは特に初期のアルバムみたいで。
初期の曲を集めたベスト盤というのがすばらしくて。
そこから1st、2nd、3rd(ライブアルバム)も借りて聴きはじめる。

山下達郎、CDのライナーノーツが本人です。
1stのライナーノーツ読むと、初期の頃いかに限られたお金でできるだけのことをしようとしていたかが書かれていて、ああ、と思う。
そしてその中の、外に出てアメリカのプロデューサーと話して「今の音を作ろうと決意した」という言葉にはすごくはっとさせられた。
ここは前振りがあって、好きなミュージシャンについて喜々として話した時に、そのプロデューサーが「彼らは確かに素晴らしいミュージシャンだ。だけれどそれは1960年代のことだ」と答えたそうなんです。

よい音楽、だけれど自己満足ではなく、「今」、ちゃんと人に通じるものを作ることを決意したということだよね。より広く人々に届けること。

それから山下達郎の世界をさまよいはじめているけれど、とあるインタビューでは「アーティストって呼ばれるの大嫌い」ってはっきり言ってもいる。
アルバムタイトルに「アルチザン」って付けてたもんなあ。 アルチザン、職人だ。

そう。わたし、山下達郎の音楽も好きなんだけれど、仕事に対する姿勢とか、世の中に向かうあり方みたいなものが好きなんだ。「アーティストではなくアルチザン」とわざわざ宣言するある種の反骨精神とか、きれいごとだけで自分を覆おうとしないところとか。

こんなこと語っていいのか本当にもう…と思うのだけど、
山下達郎のアルバムについてはwikiが充実しているのよ。
それは山下達郎自身のライナーノーツをもとにしているからだと思うんだけれど(ちょっといかがなものかという気持ちもちらっとある)。
「MELODIES」というアルバムについて、
もう商業的には成功したいたけれど、新しいレコード会社を設立して軌道に乗せる必要はある(ということはしっかりした売上を上げる必要があるということ)。だけれどこのままずっと長くは続けられないと思った。それならば、逆に売れ続ける音楽を作るよりも本来自分がやりたかった流行りものではない音楽をと。シュガーベイブに戻りたかった。
(なんだかここはシュガーベイブ好きの自分としては泣けた。)
そして自分なりの歌世界を作るために自作の歌詞を増やしたと。

なんだかその仕事の仕方の流れ、すごくわかる気がしたのだ。

長くやっていくには無理のないありかたが必要で、そのために自分にしかできないこと、自分らしさを出していくというのは
仕事のあり方としてすごくよいやり方なのでは、と
これは自分が仕事するようになって考えつつある方向性でも実はあったから。
長年の達郎ファンには怒られるかもと思いつつ、勝手に共感してしまった。

職人というのは、完全に自分を消し去ることではなくて、自分のもっているものを活かしながらよい商品にしていくことなのでは、と。ここはわたしの勝手な考えなのだけれど、
同時に「ビジネスである以上、売上は必要」という考え方はふつうのことなのだけれど、ふつうに発言する山下達郎がまたいいと思う。

本当に初期の1970年台のアルバムがカッコいいんだけれど、
ふとラジオから流れてきた「ジャングル・スィング」(1993年)の豊かさにも圧倒され。
でもこれも20年以上前の曲なんだよね…。まだまだ届かない。

たまたま見つけて読んだ、比較的最近のインタビューによると、CDを作ることに時間がかかるために55歳以降はライブ活動中心で行こうとしているらしい。

そういえば、山下達郎はかたくくなに長髪。誰が切っても切らないなあ。七三というよりは八二か九一。